トップ › 記事
家の中の安全
実家の転倒・ヒートショック対策|冬の入浴事故と家の中の危険から親を守る
親の心配というと外出時を思い浮かべがちですが、調べてみると、高齢者の事故はむしろ「家の中」で多く起きています。とくに注意したいのが、冬の入浴で起きる「ヒートショック」と、日常の「転倒」です。
どちらも、高価な工事をしなくても、今日からできる対策があります。ポイントは、「温度差をなくす」ことと、「つまずきをなくす」ことの2つです。
① ヒートショック対策 ― 「温度差」をなくす
ヒートショックは、急な温度変化で血圧が大きく上下し、体に負担がかかることです。暖かい部屋から寒い脱衣所・浴室へ移り、熱いお湯に入る——この温度差が引き金になります。実際、消費者庁は、高齢者の入浴中の事故(不慮の溺水)が交通事故による死亡者数を上回る水準だとして、冬季の入浴に注意を呼びかけています(消費者庁の注意喚起)。
対策は、部屋と浴室の温度差を小さくすることです。調べたところ、次のような方法がすすめられています。
- 脱衣所に暖房器具を置いて、事前に暖めておく
- 入浴前にシャワーでお湯をためると、浴室全体が暖まる
- お湯は40℃以下のぬるめに。長湯はしない
- 一番風呂を避ける(浴室が暖まった2番目以降に)
- 食事の直後・お酒を飲んだ後の入浴は避ける
- 入浴前に家族に一声かける習慣を(離れていても電話で「これからお風呂だよ」と)
② 転倒予防 ― 「つまずき」をなくす
もう一つが、家の中の転倒です。若い頃なら何ともない段差やコードが、大きなケガにつながります。家の中の「危ない場所」ごとに、まずやることを整理しました。
とくに効くのが人感センサーの足元灯です。人が通ると自動で光る電球で、1個2,000円前後・工事いらず。夜のトイレの転倒を防いでくれます。手すりや滑り止めマットも、浴室や階段など「つかまりたくなる場所」から少しずつで大丈夫です。
いざというときの薬・連絡先・大事なものの場所を、1枚に。
無料「もしもシート」を受け取る →③ 帰省のとき、一緒に見ておく
これらは、次の帰省で親と一緒に家の中を歩きながら確認するのがおすすめです。どこを見ればいいかは、お盆の帰省チェックの記事で30項目のリストにまとめています。「危ないね」と指摘するより、「ここ、一緒に直そうか」と手を動かすほうが、親も受け入れやすいです。
まとめ:工事より、まず温度差と足元から
- 家の中の事故で怖いのは冬の入浴(ヒートショック)と転倒
- 脱衣所を暖める・ぬるめのお湯で温度差をなくす
- 足元灯・手すり・滑り止めで、つまずきをなくす。まず1か所から
全部を一度にやらなくて大丈夫です。まずは脱衣所に暖房を1つ、トイレに足元灯を1つ。それだけで、親の毎日はぐっと安全になります。
よくある質問
ヒートショックは何度の温度差で起きますか?
特定の温度というより、急な温度差が引き金になります。暖かい部屋から寒い脱衣所・浴室への移動と、熱いお湯が体に負担をかけるため、脱衣所や浴室を事前に暖めて部屋との差を小さくすることが基本の対策です。
一人暮らしの親のヒートショック、離れていてもできることは?
入浴前に電話で一声かける、脱衣所用の暖房を用意する、湯は40℃以下・長湯しないことを一緒に確認する、などができます。毎日決まった時間に人が訪れる手渡しの宅配や見守りサービスも、異変に気づく助けになります。
浴室の手すり設置に補助はありますか?
介護保険の住宅改修制度で、手すりの取り付けなどに補助が出る場合があります。要介護・要支援の認定や条件があるため、まずは親の住む地域の地域包括支援センターや市区町村の窓口にご相談ください。工事の前に、数千円の足元灯や滑り止めマットから始めることもできます。
※本記事は執筆時点(2026年8月)の調査に基づく情報提供です。健康や入浴に不安がある場合は、かかりつけ医にご相談ください。制度・住宅改修の補助などの個別のご判断は、地域包括支援センターや各自治体の公式窓口でご確認ください。参考:健康長寿ネット(ヒートショック対策)