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緊急時の備え・見守り
緊急通報サービスとは|一人暮らしの実家、いざという時にすぐ助けを呼べる仕組み
「もし実家で倒れて、動けなくなったら」——そう考えたことはありませんか。一人暮らしの親は、体調が急に悪くなったときや転んで動けなくなったとき、自分でスマホや電話まで手が届かないことがあります。119番できるかどうかは、その一瞬にかかっています。
調べてみて分かったのは、「ボタンを押すだけ・機械が気づいて自動で知らせる」仕組みは、もうたくさんあるということです。しかも、いきなり高い民間サービスを契約しなくても、まずはお住まいの市区町村に「緊急通報システム」という無料〜低額の制度がないか確認するところから始められます。
高齢者の救急搬送は、実は全体の約6割を占めています(総務省消防庁「令和6年版 消防白書」)。備えは早いほど安心につながります。この記事では、緊急通報の備えを負担が軽い順に3段階で整理します。
先に結論:まず「ボタンを押すだけで助けを呼べる形」を1つ作る
緊急通報サービスは、突き詰めると「本人がボタンを押す、または機械が異変に気づく」→「誰かに知らせが届く」という、たった2つの働きでできています。難しく考える必要はありません。
大事なのは、いきなり高機能なものを選ぶことではなく、「今、実家には何もない」状態を1つでもなくすことです。まずは①お住まいの市区町村に無料〜低額の制度がないか確認する。それだけでも、何もないよりずっと前進します。
心配の大きさに応じて、②通報だけが届くタイプ、③実際に人が駆けつけるタイプへと、段階を上げて考えれば十分です。
実家にどこまでの見守りが必要か、3分で整理できます。
無料診断をはじめる →なぜ今、緊急通報の備えが必要なのか
「うちの親はまだ元気だから」と思うかもしれません。ですが、データを見ると備えは早いに越したことはなさそうです。
総務省消防庁の調査では、令和5年中の救急搬送人員のうち、高齢者(65歳以上)が占める割合は約6割にのぼります(総務省消防庁「令和6年版 消防白書」)。年齢を重ねるほど、急な体調変化や転倒による救急搬送が増えるということです。
そして、一人暮らしのときにいちばん困るのは「倒れた本人が、自分で119番できない」ケースです。声が出せない、スマホまで手が届かない、意識がもうろうとしている——そんなとき、ボタン一つ、あるいは機械が自動で異変を検知して知らせてくれる仕組みがあるかどうかで、発見までの時間が大きく変わります。
段階① まず確認 ― 自治体の緊急通報システム
いちばん最初に確認してほしいのが、お住まいの市区町村が提供する「緊急通報システム」です。多くの自治体で、一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯を対象に、無料〜低額(所得等の条件により月数百円程度)で利用できる制度があります。
仕組みは、固定電話の回線に専用の通報装置を設置し、あわせてペンダント型や壁掛けのボタンを持ち歩く、というものが一般的です。ボタンを押すと、消防や委託先の受信センターにつながり、必要に応じて救急車が手配されます。
対象条件の例(自治体によって違います)は、調べたところ次のようなものが多く見られました。
- 65歳以上のひとり暮らし、または高齢者のみの世帯
- 心臓疾患・高血圧など、日常生活に注意が必要な持病がある
- 75歳以上であれば持病を問わず対象、など条件が緩い自治体もある
探し方はかんたんです。「(親の住む市区町村名)緊急通報システム」で検索すると、たいてい福祉課のページが見つかります。地域の高齢者の相談窓口である地域包括支援センターに聞いても案内してもらえます(窓口の探し方はこちらの記事にまとめています)。
実家にどこまでの見守りが必要か、3分で整理できます。
無料診断をはじめる →段階② スマホ連携で気軽に ― 民間の「通報のみ」型
自治体の制度が対象外だった、あるいは「もう少し早く自分のスマホにも知らせがほしい」という場合に検討したいのが、民間の「通報のみ」型です。
代表的なのが、GPS端末にSOSボタンが付いたタイプです。例えば「みてねみまもりGPS」は、本体のボタンを押すと家族のスマホに通知が届く仕組みで、月額は目安として500〜700円台からとされています(2026年8月時点。詳しくはみてねみまもりGPS 公式でご確認ください)。もともとは居場所確認(GPS)が主目的の端末ですが、ボタン一つで家族に知らせが届く点は、緊急時の備えとしても使えます。
このタイプの特徴は、知らせが届く先が「消防」ではなく「家族のスマホ」という点です。つまり、通知を受け取った家族が、そこから119番するかどうかを判断する必要があります。費用は軽い分、「気づいて動くのは家族」という前提を理解して選ぶことが大切です。
段階③ しっかり備える ― 民間の「駆けつけ」型
「離れていてすぐには行けない」「一人で倒れていたらと思うと不安が消えない」という家庭には、民間の「駆けつけ」型がいちばん安心感があります。
これは、ボタンを押す(あるいは倒れて動けなくなったことをセンサーが検知する)と、契約している警備会社の緊急対処員が実際に自宅へ駆けつけ、必要であれば救急車の手配や応急対応まで行ってくれるサービスです。調べたところ、代表的なものに次のようなサービスがあります。
- セコム「マイドクターPlus」:セコム・ホームセキュリティのオプションとして提供。携帯電話としても使える専用端末のストラップを引くと、セコムに信号が送られ、緊急対処員が駆けつけます。オプション月額は1,800円(税別)程度+ホームセキュリティ本体の月額とされています(2026年8月時点。詳しくはセコム 公式でご確認ください)。
- ALSOK「HOME ALSOK みまもりサポート」:緊急ボタンを押すと、ALSOKのガードマンが駆けつける見守りサービス。プランによって月額の目安は2,000円台後半〜3,000円台程度、初期費用0円のプランもあるとされています(2026年8月時点。詳しくはALSOK 公式でご確認ください)。
このタイプの強みは、「誰かが実際に来てくれる」ことです。倒れた本人が声を出せなくても、応答がないこと自体が異常として扱われ、対応が進む仕組みを持つサービスもあります。費用は3段階の中でいちばん高くなりますが、「一人で倒れていたときに、確実に人が来る」という安心は、他の段階にはない強みです。
3段階の比較表
| 段階 | 通報の仕組み | 目安の費用 | 向いている家庭 |
|---|---|---|---|
| ① まず確認 自治体の緊急通報システム |
ボタン→消防・受信センターへ通報 | 無料〜低額 (条件・自治体により月数百円程度) |
まず対象かどうか確認したい・費用を抑えたい |
| ② 通報のみ 民間GPS・SOSボタン |
ボタン→家族のスマホに通知 | 月500〜700円台程度〜 | 家族がすぐ動ける・まず気軽に始めたい |
| ③ 駆けつけ 民間の警備会社サービス |
ボタン・センサー→緊急対処員が自宅へ駆けつけ | 月2,000〜3,000円台程度+初期費用 (要・公式確認) |
すぐに駆けつけられない・確実な安心を優先したい |
※費用は執筆時点(2026年8月)の調査に基づく目安です。サービスの料金・プランは変わることがあるため、申し込み前に各公式サイト・自治体窓口でご確認ください。
多くの家庭は、まず①の自治体制度が対象かどうかを確認するところから始めれば十分です。対象外だった場合や、もう一段しっかり備えたい場合に、②・③を検討してください。
親への切り出し方 ― 「もしも」の話は、自分の心配として伝える
緊急通報の話は、「もし倒れたら」を前提にする分、親にとっては触れられたくない話題になりがちです。「年寄り扱いされた」と感じさせると、話が進みません。
効くのは、「あなたが心配だから」ではなく「私が安心したいから」という伝え方です。
「もし何かあったとき、私がすぐ駆けつけられないから。ボタン一つで助けを呼べるようにしておくと、私が安心できるんだけど」——このくらいの言い方なら、責められている感じがしません。「管理する」ではなく「私を安心させてほしい」という頼み方にすると、受け入れてもらいやすくなります。
この言い換えのコツは、親に見守りを嫌がられない切り出し方の記事でもっと詳しく扱っています。
まとめ:まず自治体の制度を確認するところから
- 緊急通報の備えは、負担が軽い順に3段階。まず「ボタンを押すだけで助けを呼べる形」を1つ作る
- ①自治体の緊急通報システムは無料〜低額のことが多い。まずお住まいの市区町村で対象かどうか確認を
- 対象外・もう一段の安心がほしいなら、②通知のみの民間GPS、さらに確実さを求めるなら③駆けつけ型の民間サービスへ
- 高齢者の救急搬送は約6割が65歳以上。備えは早いほど安心につながる
完璧を目指さなくて大丈夫です。まずは市区町村のホームページを開いて、「緊急通報システム」があるかどうか調べてみてください。それだけで、実家の「もしも」への備えが一歩進みます。
よくある質問
自治体の緊急通報システムは、誰でも使えますか?
多くの自治体で、65歳以上のひとり暮らしや高齢者のみの世帯を対象に、無料〜低額で利用できる制度があります。心臓疾患・高血圧など持病の有無を条件にする自治体もあれば、75歳以上なら条件を問わず対象にする自治体もあります。「(お住まいの市区町村名)緊急通報システム」で検索するか、地域包括支援センターに聞くと確認できます。
お金をかけずに緊急通報の備えはできますか?
できます。まずお住まいの市区町村に緊急通報システムの制度がないか確認してください。対象であれば無料〜月数百円程度で利用できることが多いです。対象外の場合は、月500〜700円台程度から使える民間のGPS・SOSボタン型(通報のみ)も比較的軽い負担で始められます。
自治体の制度と民間サービスは、何が違いますか?
自治体の制度はボタンを押すと消防や受信センターに直接つながり、無料〜低額なのが特徴です。民間の「通報のみ」型は家族のスマホに知らせが届き、その後の対応は家族が判断します。民間の「駆けつけ」型(セコム・ALSOKなど)は、実際に警備会社の担当者が自宅へ駆けつけてくれる分、費用は高くなりますが安心感も大きくなります。
※本記事は執筆時点(2026年8月)の調査に基づく情報提供です。料金・仕様・対象条件は変更されることがあります。最新情報は必ず各サービスの公式サイト・お住まいの市区町村窓口でご確認ください。介護・医療に関する個別のご判断は、地域包括支援センターや各分野の専門家にご相談ください。